バーチャルオフィスを解約したら登記はどうなる?移転登記の費用と手順
結論:解約しても登記は自動では消えません。 本店移転の変更登記が必要で、登録免許税は同一法務局管轄内なら3万円、管轄をまたぐと6万円かかります。 申請期限は移転日から2週間で、遅れると代表者個人に過料が科される可能性があります。 月額料金の安さだけで選ぶと、解約時にそれまでの利用料を上回る費用が発生することがあります。
バーチャルオフィスの料金を比べるとき、ほとんどの人が見落とすコストがあります。やめるときの費用です。
月額660円のサービスを3年使って解約する場合、支払う利用料の総額は約24,000円。 ですがその住所を法人登記に使っていたなら、解約時に別途3万円から6万円がかかります。 3年分の利用料より、出ていくときの費用の方が高い。これがバーチャルオフィスの構造です。
解約すると、登記はどうなるのか
何も起きません。登記は自動では消えません。
法務局は、あなたがバーチャルオフィスを解約したことを知りません。登記簿にはその住所が残り続けます。 一方、運営会社との契約は終わっているので、その住所を使う権利はもうありません。
この状態を放置すると、次のことが起こります。
- 登記上の住所に郵便物が届いても、誰も受け取らない(差出人へ返送されます)
- 税務署、都税事務所、年金事務所からの通知が届かない
- 運営会社から、住所の無断使用として損害金を請求される場合がある
- 取引先が登記簿を見て所在地を訪ねても、そこにあなたの会社はない
多くのバーチャルオフィスは、利用規約で「解約後◯日以内に変更登記を完了すること」を義務づけています。 当社の場合は30日以内です(利用規約 第12条)。
変更登記にいくらかかる?
本店移転の登録免許税は、移転先の法務局管轄によって金額が変わります。
| 移転のパターン | 登録免許税 | 理由 |
|---|---|---|
| 同一の法務局管轄内へ移転 | 30,000円 | 1件の申請で済むため |
| 別の法務局管轄へ移転 | 60,000円 | 移転前後の両方の管轄に申請するため |
これに加えて、司法書士に依頼する場合は報酬が3万円前後かかります。 自分で申請すれば報酬はかかりませんが、株主総会議事録または取締役の決定書を自分で作成する必要があります。
東京23区は「都内だから同一管轄」ではありません
見落としが多いのがここです。東京23区は、区ごとに管轄の法務局が分かれています。 たとえば台東区は東京法務局台東出張所の管轄です。
台東区内での移転なら3万円ですが、台東区から渋谷区へ移転すると管轄が変わるため6万円になります。 バーチャルオフィスを解約して自宅へ移す場合、自宅がどの管轄かで倍近く変わるということです。 移転先を決める前に、法務局の管轄を確認してください。
移転登記の手順
- 移転先の住所を決める(自宅、別のバーチャルオフィス、賃貸オフィス)
- 移転を決議する。定款に本店所在地が「東京都台東区」まで書かれていて同じ区内での移転なら、取締役の決定のみで足ります。区をまたぐ場合は定款変更が必要になり、株主総会の特別決議が要ります
- 法務局へ申請する。移転日から2週間以内が期限です
- 関係先へ届け出る。税務署、都道府県税事務所、市区町村、年金事務所、銀行、取引先
期限を過ぎるとどうなるか: 2週間を過ぎても申請自体は受理されます。ただし登記懈怠として、 代表者個人に100万円以下の過料が科される可能性があります(会社法976条1号)。 実務上は数万円程度の過料通知が裁判所から届くケースが報告されています。会社ではなく代表者個人あてに来ます。
では、バーチャルオフィスは避けるべきか
そうではありません。移転コストは、賃貸オフィスを借りた場合も同じように発生します。 むしろ賃貸オフィスは原状回復費用と解約予告期間が加わるぶん、はるかに高くつきます。
重要なのは、選ぶ段階で次の2点を確認しておくことです。
1. 運営会社が長く続きそうか
自分の都合ではなく、運営会社の撤退によって移転を強いられるケースがあります。 拠点を賃借している事業者は、賃貸借契約が終われば拠点ごとなくなります。 経営者自身が所有する建物で運営しているか、他の事業と併設されていてバーチャルオフィス単体の採算で撤退しない構造かを見てください。
2. その住所が汚れていないか
同じ住所から問題のある法人が出ると、その住所全体が金融機関の審査で警戒されるようになります。 一度そうなると回復しません。申込時の本人確認を全件行っているか、 誰でも即日で契約できてしまう運用になっていないかは、確認する価値があります。
ROKU ASAKUSA について
東京都台東区浅草6-17-12。当社代表が所有する建物で運営しています。 1階はセルフジム、3階と4階は宿泊施設として稼働しており、バーチャルオフィス単体の採算で拠点をなくすことがありません。 犯罪収益移転防止法にもとづく本人確認は、全件実施しています。 年間17,760円(月あたり1,480円・税込)、初期費用0円。
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