バーチャルオフィスで法人口座は開ける?サポートなしで自力開設する手順
結論:バーチャルオフィスの住所でも法人口座は開設できます。 ただし審査で実際に見られているのは住所そのものではなく、事業実態が確認できるかどうかです。 住所を理由に一律で断られるわけではなく、事業内容が説明できない会社が断られています。 必要なのは、ホームページ、取引の証跡、具体的な事業計画の3つです。
当社は銀行口座開設のサポートも代行も行っていません。紹介制度もありません。 ですので、この記事は「当社を使えば口座が開けます」という話ではなく、 誰の手も借りずに自分で開設するための手順として書きます。
この記事は法人(会社名義)の口座の話です。 個人事業主の方が作る屋号付き口座(名義は「屋号+個人名」)は、審査の性質がまったく違います。 本人確認と開業届の控えが中心で、バーチャルオフィス住所であることの影響は法人口座ほど大きくありません。 個人事業主の方は屋号の付け方と屋号付き口座をお読みください。
なぜ「バーチャルオフィスだと落ちる」と言われるのか
金融機関は、犯罪収益移転防止法にもとづく確認義務を負っています。 過去に、実体のない会社が振り込め詐欺やマネー・ローンダリングの受け皿として法人口座を使った事例が積み重なった結果、 金融機関は実体の確認が難しい申込を警戒するようになりました。
バーチャルオフィスはその典型と見なされやすい、というだけの話です。 禁止されているわけではありません。実際、バーチャルオフィスの住所で口座を開設している法人は多数あります。
重要なのは、金融機関が住所を見ているのではなく、事業実態を見ているということです。 自宅を本店にしていても、事業内容が説明できなければ同じように落ちます。
審査で実際に確認されること
| 確認項目 | 何を見ているか |
|---|---|
| 事業内容 | 何をして、誰から、どうやって売上を得るのか。具体性があるか |
| 事業の証跡 | ホームページ、パンフレット、取引先との契約書、発行済みの請求書、受注メール |
| 代表者 | 本人確認、経歴、その事業をやる合理性があるか |
| 資本金 | 事業規模に対して不自然でないか |
| 連絡先 | 固定電話または050番号があるか、実際につながるか |
| 業種 | 金融機関ごとに取扱いを制限している業種に該当しないか |
準備するもの
- 登記事項証明書(発行から3ヶ月以内・原本)
- 法人の印鑑証明書(同上)
- 代表者の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 定款の写し
- 事業内容が分かる資料 ホームページのURL、サービス説明資料、取引先との契約書、発行した請求書の控え
- バーチャルオフィスの利用契約書 住所を正当に使用していることの証明として、提出を求められることがあります
最後の項目は見落とされがちです。バーチャルオフィスの住所で申し込む場合、 利用契約書の写しを求められるケースが多いので、契約後すぐに手元に保管しておいてください。 当社では、ご契約時に利用証明書を発行しています。
どの銀行に申し込むか
一般に、ネット銀行はオンラインで完結し、審査期間も短い傾向があります。 GMOあおぞらネット銀行、住信SBIネット銀行、PayPay銀行、楽天銀行などが法人口座を扱っています。 いずれも申込時点でバーチャルオフィスを一律に排除してはいませんが、審査基準は各行が独自に定めており、 時期によっても変わります。最新の条件は必ず各行の公式サイトで確認してください。
メガバンクは審査が厳しい傾向にあり、創業直後の小規模法人が最初に狙う先としては現実的ではありません。 地元の信用金庫は、実際に足を運んで事業を説明できる関係を作れれば可能性がありますが、 営業エリアの要件があるため、バーチャルオフィスの住所と実際の活動地域が離れていると難しくなります。
「バーチャルオフィス歓迎」の銀行は存在しません
調べていると「この銀行はバーチャルオフィスに寛容」という情報を見かけますが、 その出典の多くはバーチャルオフィス事業者自身のブログです。 審査基準を公開している金融機関はありません。 担当者、時期、事業内容、申込のタイミングで結果は変わります。
そのうえで、申込前に公式サイトで事実として確認できることは3つあります。 通るかどうかは分かりませんが、この3点は調べれば分かります。
| 確認すること | なぜ見るのか |
|---|---|
| 来店が必要か、 オンラインで完結するか |
来店型は、面談で住所と事業実態の関係を尋ねられます。オンライン完結型は提出書類で判断されるため、準備した資料がそのまま効きます |
| 携帯電話番号で 申し込めるか |
申込フォームの入力必須項目を見れば分かります。固定電話が必須の銀行では、その時点で先に進めません |
| 書類の送付先を 登記住所と別にできるか |
ここが最重要です。次の項目で詳しく説明します |
※各行の取扱いは変更されます。申込前に必ず各金融機関の公式サイトでご確認ください。 本記事は特定の金融機関を推奨するものではありません。
口座は開けたのに使えない、を避ける — 受取先を先に決める
審査に通ったあと、金融機関からキャッシュカードとワンタイムパスワードのトークンが郵送されます。 これらは本人限定受取郵便や簡易書留で送られることが多く、受け取りに対面での応対が必要です。
当社は無人運営のため、これらを受け取れません。 受け取れなかった郵便物は差出人に返送されます。 キャッシュカードが返送されると、口座が開設できていても使えず、 金融機関によっては口座の利用停止や解約につながります。
解決策は単純です。申込時に、書類の送付先を自宅など受け取れる住所で登録してください。 多くの金融機関は、登記上の住所と郵便物の送付先を別々に登録できます。 登記住所は当社のまま、カードだけ自宅で受け取れば、自宅住所を公開せずに済むという当初の目的は達成できます。
これは口座に限らず、クレジットカードや官公庁からの一部の通知でも同じです。 受け取れない郵便物の一覧と対処は受け取れない郵便物と、その回避方法にまとめてあります。 申し込む前に読んでおいてください。後から気づくと、開設をやり直すことになります。
通過率を上げるためにやること
- ホームページを作る。最も費用対効果が高い準備です。事業内容、代表者名、所在地、連絡先、特定商取引法に基づく表記を揃えておきます
- 電話番号を用意する。携帯番号でも申し込めます。携帯であること自体を否決理由として公表している金融機関はありません。ただし事業用の番号があるほうが実態を示せます。050番号はクラウドPBXで月数百円から取得でき、固定電話の工事は不要です。番号の種類より、その番号に出られるかどうかが見られています。審査中の着信を取り逃さないようにしてください
- 登記より先に、取引の証跡を1件作る。受注メール、見積書、契約書。何もない状態の申込より格段に説明しやすくなります
- 資本金を1円にしない。法律上は可能ですが、事業規模との整合を疑われる材料になります
- 事業内容を具体的に書く。「コンサルティング業」ではなく「飲食店向けの予約管理システムの開発と保守」のように、誰に何を売るのかまで書きます
落ちたときの対処
金融機関は否決の理由を開示しません。落ちた場合は、次のいずれかで進めます。
- 別の金融機関へ申し込む。基準は各行で違うため、1行の結果で判断しないこと
- 数ヶ月かけて売上と取引実績を作り、証跡を揃えてから再申請する
- 実際に活動している地域の信用金庫に、対面で相談する
なお、当社は口座開設の可否について責任を負う立場にありません。 審査は各金融機関が独自の基準で行うものです。この記事も一般的な手順の説明であり、 開設を保証したり、特定の金融機関を推奨したりするものではありません。
ROKU ASAKUSA について
東京都台東区浅草6-17-12のバーチャルオフィスです。口座開設のサポートは行っていません。 そのかわり、犯罪収益移転防止法にもとづく本人確認を全件実施し、 この住所が不適切な用途に使われないようにしています。同じ住所に問題のある法人が並ばないことが、 結果としてこの住所を使う方の審査に効いてくると考えています。年間17,760円(月あたり1,480円・税込)、初期費用0円。
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